この記事の内容
食道がんに対する治療には、手術療法、内視鏡的切除、放射線療法、抗がん剤治療などがあります。
食道がんを治すためには、がんの進み具合を診断して、おからだの状態にあった治療法を選ぶことが重要です。
いくつかの治療を組み合わせることで、治る確率が上がることもあります。
しかし、食道がんの患者さんの数は、胃がんや大腸がんと比べて少なく、そうした診断や治療法に精通した医師は全国的に多くありません。
京大病院には、食道がんの診断、手術・内視鏡治療・放射線治療・抗がん剤治療といった治療のスペシャリストが揃っています。
「食道がん専門外来」(食道がんユニット)を設置し、患者さん個人のおからだやがんの状態を確認し、最も治療効果が高いと考えられる治療方針を各専門家がカンファレンスを行って一緒に検討しています。
おからだや食道がんの状態によっては、手術と放射線治療など複数の選択肢を考慮することもあります。
しかし、病院によっては、外科に受診すれば手術を、放射線科に受診すれば放射線治療を勧められることもあります。
京大病院の食道がんユニットは、複数の選択肢がある場合は、それぞれの専門家から患者さんに説明し、患者さんやご家族のご希望に沿った治療法を一緒に考えます。
手術と抗癌剤などを組み合わせた方が良い場合は、各専門家からご説明します。
「食道がんユニット」は毎週水曜日に診療を行っております。受診やセカンドオピニオンを御希望の方は、 地域医療連携室 電話 075-751-3110 へご相談下さい。
くびからおなかまで続く食道の手術は、他の消化器の手術と比べて大きな手術になります。
食道がんの手術を安全に行い、退院していただくためには、手術を行う外科の医師、手術の前や後の入院中の状態を管理する外科の医師だけでなく、食道がん治療に精通したスペシャリストとあらゆる分野のスペシャリストが必要です。
集中治療専門の医師、外来と病棟の看護師、リハビリスタッフ、歯科医師、栄養管理のスタッフは、これまで多くの食道がん手術を受けた患者さんをケアした実績を有しています。
そして、大きな手術を安全に行うためには、他の診療科の医師や医療スタッフも重要な役割を担います。
心臓、肺、腎臓などの状態を確認し、それらに病気を有する方を支える医師の併診は必須です。
また、手術前に食事をとることが難しくなることがありますし、手術後は食事量が少なくなり、体重や体力が低下することがあります。
京大病院では、手術前や手術の後のお食事や栄養の状態などを外科、内科の医師、看護師、栄養士、薬剤師によるチーム(栄養サポートチームと呼ばれます)が確認し、対応しています。
京大病院には食道がん治療と全ての分野のスペシャリストが揃っています。