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食道癌は食道の粘膜から発生し、はじめは粘膜内にとどまっていますが、進行するに伴って次第に粘膜下層、筋層、外膜へと達します。
また、進行する過程で一部の癌細胞は血管やリンパ管に入り込んでリンパ節に飛んだり(リンパ節転移)、肝臓や肺などの離れた臓器に飛んだりします(遠隔転移)。
どのくらいの深さまで食道癌が達しているか(壁深達度)と転移の状況から食道癌の進み具合がきまり、それにより治療方法も異なってきますので、先に述べたような十分な検査により進み具合を把握することが重要になります。
食道癌はその深さによって下図のようにTis(上皮内癌)、T1a(粘膜筋板まで)、T1b(粘膜下層まで)、T2(筋層まで)、T3(外膜まで)、T4(周囲臓器に浸潤)に分類されます。
胃癌や大腸癌は粘膜下層までの浅い癌(T1)を「早期癌」、筋層あるいはそれ以上に深くまで広がっているものを(T2-T4)「進行癌」としています。
しかし食道癌はたとえT1b程度に浅くても早くからリンパ節転移を起こすことが稀ではないのでT1のものは「表在癌」とよび、胃癌や大腸癌で転移が稀で予後が良好な「早期癌」と区別しています。
食道は喉頭(のど)から胃までをつなぐ、縦長の臓器です。
従って、食道がんのリンパ節転移の場合、広い範囲に転移を認める事が知られています。
以下にその代表的な場所(所属リンパ節)を示します。
がんが進行すると、がんが血液にのって他臓器に転移することがあります。これを遠隔転移と言います。
食道がんの場合、肺 肝臓 骨などに転移することがあります。
遠隔転移の有無は主として、CT検査で診断しています。
肺転移、肝転移も5~10mm大以上のものであれば見つけることができます。
これまで述べた、壁深達度、リンパ節転移、遠隔転移の有無により、食道癌の進行度は、日本食道学会の分類にしたがって、下図のように「I, II, III, III, IVa, IVb」の6段階に分類されます。
治療をした場合の食道癌の治りやすさも進行度によって違ってきます。