食道は口から胃まで食物を送り込む、長さ約25cm、幅2cmの筒状の消化管で頚(くび)から胸の中を通りお腹の中で胃に通じています。
飲み込んだ食べ物は食道の蠕動運動により胃へと流れていきます。
頚部・胸部・腹部食道と3部に区分され、胸部食道はさらに上部・中部・下部と分かれます。
胸の中では肺と気管や心臓、大動脈といった重要な臓器に囲まれて存在します。
筒になっている壁(食道壁)は内側から外側へそれぞれ粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜と呼ばれる層に分かれます。
悪性新生物による死亡原因として、食道癌の死亡率は男性では第6位、女性では第13位とそれほど高くありませんが、徐々に増加しています。
食道癌の発生に関してはこれまでに非常に多くの研究がなされてきていますが、癌発生のメカニズムは複雑であり決定的な答えは得られていません。
現時点では、遺伝的因子も重要ですが、環境的因子の影響がより大きいのではないかと考えられています。特にアルコールとタバコは食道癌の危険因子です