この記事の内容
京都大学消化管外科の”直腸がん治療”に関する、対象疾患や治療法をご紹介いたします。
京都大学では、進行度に応じて早く治療の開始ができるよう心掛けております。当院で治療を希望される場合はかかりつけの先生にいつでもご相談ください。
京都大学では、転移(腹膜播種も含む)を有する進行がんや再発がんであっても、大腸がんの専門家(腫瘍内科・消化器内科・肝胆膵外科・放射線治療科)で結成される大腸がんユニットで治療方法を検討し、患者さん個々に最適な治療戦略を提案していきます。
進行した直腸がんでは、腫瘍縮小や局所再発の抑制を目的として手術前に放射線や化学療法(抗がん剤)を組み合わせた術前治療を積極的に取り入れています。
また、近年注目されている海外からの新しい治療方針として、化学放射線療法と全身化学療法の組み合わせ(Total Neoadjuvant Therapy[トータルネオアジュバントセラピー])をおこなう事もあります
わかりやすい説明を心がけ、医師や看護師が入院中の生活をサポートします。
ご高齢の方など退院後の生活に不安のある方は、地域ネットワークと協力して、自宅近くの病院との連携や在宅医療サービスの活用を提案して退院支援を行っています。
京都大学では、2019年に保険収載される前の2011年からロボット手術を導入しており、これまで沢山のロボット大腸癌手術の実績があります。
現在、最新鋭の手術用ロボットであるダ・ヴィンチXi, ヒノトリ, ヒューゴで手術をおこなっています。
ロボット手術や腹腔鏡手術に加え、肛門から腫瘍にアプローチする経肛門手術も導入しており、腫瘍の場所や進行度に応じて最適なアプローチ方法を選択しています。
肛門に近いがんの場合、根治性を損なわない限り肛門温存手術(永久人工肛門を作らない)を第一選択とし、根治性と機能温存を両立した手術を目指します。
お腹の数カ所に5~12mmの大きさのポートと呼ばれる筒を挿入し、手術支援ロボットを連結して、外科医がロボットを操作しながら手術をおこないます。
大腸がんの専門家である、がん診療部(腫瘍内科・消化器内科)、肝胆膵外科、放射線治療科らの医師で結成されます。
毎週火曜日に、個々の患者さんの病態に応じて治療法方針を検討します。
上述の、術前治療の選択を含め、術後治療や再発や転移を有する直腸がんに対して、科学的根拠に基づいた集学的治療(手術、放射線治療、抗がん剤などを組み合わせた治療)を提案していきます。
標準治療が終了した局所進行がんや転移を有する患者さん、希少がんの患者さんに対して、がん細胞に起きている遺伝子の変化(がん遺伝子パネル検査)を調べます。
遺伝子解析によって、効果の期待できる治療方法(保険診療外治療も含む)を提案します。