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診療内容

食道がんの治療

1:外科治療

食道は頚からおなかに繋がる細長い臓器です。腫瘍のある部位に従って、手術術式が変わります。
胸部食道がん
胸の中にある食道がんの場合、両横は肺、前は気管または心臓、後は背骨や大動脈に囲まれています。したがってこれを取り出すには右の胸をあけて(開胸といいます)右の肺をしぼめ、真ん中にある食道に到達するのが一般的な方法です。
そうして食道の病巣と転移の可能性のある食道周囲と胃周囲のリンパ節を切除します。頸部以外の食道全てと胃の1/3が切除されることになります。
食道をとったあとの食べ物の通り道は、一般的に残った胃を細長く管状にのばして(これを胃管といいます)持ち上げ、残った食道とつなぎます(下の図をご参照ください)。

▲クリックすると拡大図が見られます

したがって開胸だけでなく、お腹もあけて(開腹といいます)、手術をすることになります。
以前は、頸部に傷を開けて、頸部で吻合を行っていましたが、現在我々の施設では、胸部および腹部操作を胸腔鏡 腹腔鏡で行い、胸腔内で吻合する方法を基本術式に行っています(頚に傷ができません)。
ただし、腫瘍が頸部に近い症例では、頸部に傷を開けて周囲のリンパ節の切除および吻合を頸部で行う必要があります。
また、以前に胃を切除する手術を受けている方など、胃を使えない患者さんは大腸を使うこともあります。この場合は開腹手術で行った上、頸部で吻合します。
術式によって多少異なりますが、術後1週間から10日ぐらいで水を飲んだり食事ができるようになります。 順調なら術後2-3週間前後で退院できます。
術式に関しての詳細は担当医から説明させて頂きます。気軽にご質問ください。

頸部食道がん
頚部に癌がある場合、術式が大きく異なります。頸部食道は声帯がすぐそばにあるので、声帯を一緒に切除することが多くなります。
切除した場所にはおなかから小腸を持ってきて、のどと残った食道につないで食べ物の通過経路をつくります。小腸はおなかから切り離しているので、小腸の栄養血管と、のどの血管をつなぐ血管吻合が必要です。
当院では、頸部食道がんの手術は耳鼻科で行っています。

2:内視鏡的切除(EMR; Endoscopic Mucosal Resection)

癌が食道の粘膜内までのものではリンパ節転移がほとんどないため、内視鏡的治療の適応と考えられています。
カメラをのんで粘膜だけを取ってきます。消化器内科で行います。

3:放射線治療

粘膜癌など比較的早期のものや逆に周囲臓器に浸潤のあるもの、遠隔のリンパ節に転移のあるものに適応となります。通常、次に述べる化学療法を併用します。放射線治療科 消化器内科で行います。

4:化学療法

抗癌剤治療のことです。通常シスプラチンと5FUという薬を使います。消化器内科で行います。

現在、食道癌の診療ガイドラインでは、手術療法と放射線化学療法がいくつかの領域で同等の治療成績という位置づけになっています。
われわれは、内科、外科、放射線科、耳鼻科それぞれの食道がんに対する専門医からなるチーム(食道がんユニット)により、最新の知見を元に治療法の提示を行っています。
食道癌の進行度別の標準治療を紹介します。

▲クリックすると拡大図が見られます

 

他臓器への直接浸潤を認めないものの筋層より深く腫瘍が浸潤している場合や所属リンパ節に転移を認める場合、術前化学療法を行い、進行度を下げた後に手術を行います。(遠隔転移を認める場合は除く。)
化学療法は消化器内科で行います。
また、われわれはJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)の行っている臨床試験に参加しており、そこで行われている臨床試験に基づいて治療方針の説明をさせて頂くケースもあります。
例えば、粘膜下層にがんが留まっており、所属リンパ節に転移を認めない場合、現状では手術単独 放射線化学療法 内視鏡治療+放射線化学療法と異なった3種類の治療のいずれが優れているか結論が出ていません。その場合、臨床試験の説明を聞いて頂いた上で治療方針を決定します。


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